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2016年2月16日 (火)

入れ歯治療が難しい理由

北海道で唯一の入れ歯専門歯科、コンフォートデンタルクリニック理事長の池田昭です。

ここ数日は大雪には見舞われずに済んでいますが、さすがに寒い日が続いております。
今日は「入れ歯治療がなぜ難しい」のかまとめてみましょう。


『入れ歯治療が難しい5つの理由』

1.入れ歯の治療を得意としている歯科医師が少ない

極めて単純な理由ですね。この10年くらいの風潮としてして入れ歯の治療よりもインプラント治療の方が歯科医師には圧倒的に人気があります。一時のインプラントバッシング報道によって入れ歯治療の大切さを見直す雰囲気はありましたが、止むを得ずといった感じでしょうか。ごく最近はまたインプラントの人気が戻ってきている感じがします。

大学を卒業して、インプラント治療の講座か入れ歯治療の講座かどちらに残って勉強するかと問われれば、普通の感覚の持ち主ならインプラント治療の講座を選ぶでしょう。その理由は下記につながります。

私の出身大学からは、少なくと名称と概要だけで判断する限りでは入れ歯治療単体の講座は無くなりました。その代わり、差し歯とインプラントの組み合わせか、入れ歯とインプラントの組み合わせの講座になっています。
最近は歯科医師数の過剰と言われてその対策の効果もあり歯学部の学生数が確実に少なくなりつつあります。それに加えて入れ歯治療が得意なベテラン歯科医師の大量リタイヤの時代が始まっているとなれば、一体どのような状況になるのか本当に心配です。


2.入れ歯治療の利益が低い

このことに関しては感じ方によります。
ですから、保険の入れ歯1つの利益がおおよそ1万円前後ということを聞いても高いか低いかの感じ方には個人差があるでしょう。

このことに関して触れることには抵抗がありましたが、綺麗ごとの理由だけを並べても意味はありません。そして、歯科医院の殆どが小さな個人経営の商売であることを考えれば、この理由が入れ歯治療の結果に少なからずの影響を与えていることには誰も異論は無いはずです。

業種によっては1万円の利益を得るためには相当な苦労があるかもしれません。
でもここでは歯科医として価値観で比較してみます。

同じ1万円の利益を得るとしたら、前歯の差し歯を1本やり替えるか、30分かけて小さな虫歯を見つけて2本ほど詰め物をすることでも可能です。どちらも、本数が増えれば掛け算になります。入れ歯は大小の差はありますが、1個は1個です。上下で2個になります。歯の本数が14本だから14倍ということにはならないのです。

歯科医院を開業するにはかなりの費用がかかります。テナント開業でも5,000万円近く、戸建ての開業なら1億円を超えることだって珍しくありません。また院長一人では仕事はできませんからある程度の数のスタッフを雇う必要もあります。毎月の支出を考えると、何度電卓を叩いて計算しても、保険の入れ歯の治療だけでは歯科医院経営は成り立ちません。
事実、私が田舎町で年間500個の保険の入れ歯作りに追われていた時代には、患者が待合室に溢れかえっているにもかかわらず、倒産寸前まで追い込まれました。


3.入れ歯治療には時間がかかる

きちんと機能する入れ歯を作るには時間がかかります。そして手を抜こうと思えば時間を短縮して作ることもできます。保険診療のように1つの治療行為に対して一定の治療金額が決まっている健康保険の制度上、治療にかかる時間が延びるほど時間あたりの利益は低くなることは避けられません。

そして入れ歯治療の場合、完成後の調整という工程があります。その回数が多くなれば、他の患者を診る時間が無くなります。入れ歯の調整費用はある回数を超えるとその費用を請求することすらできなくなります。

つまり難症例と言われる患者さんである程、調整回数が多くなることは明白であり、そしてタダ働きの時間が多くなることも決まったようなものです。

入れ歯で長年困っているような難症例の方こそ、時間をかけて丁寧に入れ歯を製作してその後の調整にもじっくりと取り組みたいのに、その部分の評価は全く考慮されていません。結果、多くの入れ歯難症例の患者は思ったような治療結果を得られずに困っています。


4.患者の感じ方によって評価が決まる

我々歯科医師が、完璧と思って提供した入れ歯でも、患者本人から「全然だめ」と呆気無く否定されることがあります。どこがどのように「だめ」なのか歯科医師もすぐに理解できる場合もありますが、どうにも本人にしかわからない場合もあるのです。

教科書的にはまるで非の打ち所の無い入れ歯でも、患者本人の主観によってそれは出来損ないの入れ歯というレッテルを貼られてしまいます。また時には家族の何気ない一言で完成した入れ歯に対する不信感を抱いてしまうこともあります。「自分はとても良いと思っているけど、娘が変だって言うの」といった感じです。

保険の制度上、作れる入れ歯の数は半年間に1組と決まっています。作り直しや修理にかかる費用も全て歯科医院持ちになります。見た目が気に入らなと言われても、そう簡単にもう一つ入れ歯を作るという訳にはいかないのです。


5.今も昔も大きく変わらない

患者さんが持っている30年前の入れ歯と最近の入れ歯を見比べても大きな差はありません。勿論、使った分だけ消耗している違いはあるでしょう。

そう、今も昔も保険の入れ歯の製法に大きな違いはありません。新しい材料が取り入れられることは稀にありますが、画期的という程の差では無いのです。

ところが現実には入れ歯治療方法はどんどん進化しています。材料だって非常に高機能で高性能なものが登場しています。ただそれが保険治療に取り入れられていないだけの話です。

例えば入れ歯本体も硬いプラスチックの材料から、今では軟らかいシリコーンを応用したものまであることをご存知でしょうか?

治療方法も、最初から入れ歯を2組または3組も作ることを前提とした治療方法があります。治療期間も慌てずじっくりと時間をかけてお互いに納得してから進めていきます。保険では作れる入れ歯は1組しか認められていません。


まとめ

国民の医療に充てられる国の財源には限りがあります。毎年大きく増大している医療費もその殆どが歯科以外の診療科であり、歯科に関しては永らく据え置かれてきました。理想を語るのは簡単ですが、入れ歯治療を取り巻く環境が今すぐ大幅に好転することは現実的には見込めません。
より良い物、より良い結果を求めるのであればそれは自己負担でという国のスタンスは、現実を考えれば仕方無いものがあります。

ならば自己負担で、ということになるのですが、「噛めること、食事を愉しむこと」に価値を感じなければそういう訳にもいきません。患者本人の強い思いがあれば歯科医師にもそれに応える準備はあります。得意としている手法に違いがあるかもしれませんが、きっと適切なアドバイスや紹介をしてくれるはずです。


札幌で入れ歯専門の歯科をお探しなら、まずはコンフォートデンタルクリニックにご相談ください。

電話 011−211−1000(平日9時〜18時)

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